1244年の室町時代に道元禅師によって創建された「永平寺」
樹齢約700年と言われる立派な杉に囲まれた境内は心地良く張り詰めた空気と静寂に包まれ、年間140万人の観光客で賑わう大人気のパワースポットとなっています。
そんな「永平寺」は日本曹洞宗の第一道場として現在も多くの修行僧が厳しい禅の修行をされていますが、雲水と呼ばれる修行僧の方々と同じ様に修行体験が出来る事をご存知ですか?
“修行”という言葉の響きだけで敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の行いや人生を改めて見つめ直すチャンス。
修行が終わった後は必ず参加して良かったと思えるはずです。とは言ってもどの様な事が行われるのか不安になるのも当然。
そこで今回は一般の方が参加できる「永平寺」の修行体験について詳しくご紹介致します。
永平寺で修行!お申し込みや費用は?参籠と参禅
永平寺での修行体験は一泊二日の参籠(さんろう)と三泊四日の参禅という2つのコースに分かれています。
一泊二日の参籠:10,000円
三泊四日の参禅:20,000円
申し込み方法はまず電話で予約すると郵便で申込書が送られてくるので、必要事項を記入して返信すると後日受付通知が届きます。
修行体験前日には予定通り参加出来るのか確認のお電話も、何か不安な事があればこの時にご質問下さい。
修行当日は受付で参籠料を納めた後部屋に案内され、スケジュールや作法の説明が行われます。
基本的な作法!合掌・叉手・法界定印の「三進体」
基本的な作法は合掌・叉手(しゃしゅ)・法界定印(ほっかいじょういん)の「三進体(さんしんたい)」と云われるもの。
- 合掌:
顔の正面で手のひらを合わせ中指が鼻の高さになるまで腕を上げ、手は顔から握り拳一つ分開け軽く肘を張ります。お参り、ご焼香、挨拶、食事など様々な場面で行われる作法です。 - 叉手:
左手の親指を中に握り込み、みぞおち部分に置いて右手で覆います。この時右手の親指は左手のくぼみへ。立っている時や歩いている時に行われる作法です。 - 法界定印:
両手のひらを上に向け 右手の指を重ね、卵の形を作るように両親指を合わせます。坐禅や正座の際に行われる作法です。
以上が基本作法の「三進体」、スケジュールや作法の説明後はいよいよ修行がスタートです。
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永平寺で修行!女性でもできるの?修行内容のご案内
永平寺の修行は一泊二日と三泊四日の2つのコースに分かれているとお伝えしましたが、もちろん女性の参加もOK。
一泊二日の参籠は小学生などのお子様も参加する事が出来ます。
でも不安になるのは修行の内容、一体どの様なスケジュールになっているのか具体的に見ていきましょう。
一泊二日 参籠!初心者でもOKの入門コース
午後4時までに受付を済ませ、作法やスケジュールの説明を受けた後に修行が開始されます。
- 第1日目
16:00 入浴
17:30 薬石(夕食)
18:50 坐禅・法話・ビデオ鑑賞
21:00 開枕(消灯) - 第2日目
3:20 起床
3:50 坐禅
5:00 朝課(朝のおつとめ)
6:00 永平寺の拝観
7:00 小食(朝食) その後下山
掃除などもスケジュールに組み込まれていますが、食事に関しては雲水の方々とは異なり副食は十分用意され、また一泊する事になるものの修行時間は比較的短いですよね。
こちらは初めての方でも安心してご参加頂けるコースになっています。
三泊四日(参禅)!厳しい修行体験で脱落者あり?
雲水さんとほぼ同じ内容の修行が行われ、その厳しさゆえに脱落してしまう方もいらっしゃるそう。
修行が始まる前に携帯電話やカメラ、腕時計、女性の化粧品なども回収されます。
- 1日のスケジュール
3:30 起床
3:50 暁天(きょうてん)坐禅
5:00 朝課(朝のおつとめ)
8:30 作務(掃除などの作業)
10:00 坐禅
11:00 日中(昼の勤行)
12:00 行鉢 中食(昼食)
13:00 作務
14:00 坐禅
16:00 晩課(夜の勤行)
17:00 薬石(夕食)
19:00 夜坐(夜の坐禅)
21:00 開枕(消灯) 最終日は午前10時頃下山
1日に5時間の坐禅に加え、食事中ももちろん坐禅で、体験修行ですが永平寺の掟もしっかり適用されます。
その内容は:
- 自分より立場が上の人の目を見てはいけない。
- 見習い期間中“はい” “いいえ”以外話す事は禁止。
- 話す必要がある時は合掌して上の人に許しを待つ。
- 足音や鼻をすするなど音を立てる行為は禁止。ただし返事は大きい声で。
- 寒くても寒がらず暑くても暑がらず、感情は表に出すな。
以上の様になっています。
かなり過酷な状況ですが、4日間という長い時間、果たして耐える事が出来るでしょうか?
私は正直全くと言って良いほど自信がありません。
ほとんどは厳しい修行となっていますが、あくまでも一般の方々の修行で、途中で挫折する事がない様に工夫もされているそうです。
実際参加された方は、雲水さんとのお茶会やお散歩などがあったからこそ乗り切れたと仰っていました。
でもそもそもスマホが無い環境に置かれること自体耐えられないと思われる方も多いはず。
まずは一泊二日の入門コースに参加した後に検討された方が良いかもしれませんね。
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永平寺で修行!お風呂は?
一泊二日の修行体験、参籠ではまず入浴から修行がスタート。
早速お風呂に入れるなんて気分が良いかもと思われるかもしれませんが、入浴はあくまでも修行の一環で、シャンプーやボディソープなどは無く、置いてあるのは石鹸のみ。
もちろんドライヤーはありませんので必要な方はご持参下さい。
ちなみに修行体験の必要な持ち物は:
- 下着
- 白い足袋または靴下
- ジャージなど作務が出来る服
- 洗面用具
- 入浴用具
- 健康保険証のコピー
- 常備薬
- 着物の下に着るTシャツやトレーナーなどです。
特に忘れる方が多いのがタオルで、先ほどもお伝えした様に永平寺のお風呂場に置いてあるのは石鹸のみ。
タオルは忘れずにご用意して下さいね。
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永平寺で座禅体験の所要時間・服装・座布団は?坐禅体験・写経
永平寺での修行体験についてご紹介しましたが、宿泊は出来ない又はもっと気軽に参加できるものはないかと思われる方いらっしゃいますよね。
そんな方もご安心ください。
永平寺では予約無し、当日受付でもOKな坐禅体験・写経が行われています。
坐禅体験の開始時間は:
- 午前 10時 / 11時
- 午後 13時30分 / 14時30分 / 15時30分
志納金(参加費用):500円。
※所要時間は説明なども含めて50分程度です。
時間も短いですし、1日に数回行われているので気軽に参加する事が出来ますよね。
服装は派手なものは避けてシンプルなものを、足を組む事になりますのでストレッチが効いたパンツがオススメ。
- デニムやスキニーパンツなどは避けた方が良いでしょう。
- 靴下を脱ぐ必要がある為脱ぎやすいものをお選び下さい。
- 女性の場合スカートやストッキングはNGです。
坐禅というと少しでも姿勢や心が乱れたら肩を叩かれるというイメージがありますよね。
でも永平寺の坐禅体験では全くその様な事はありませんし、もし姿勢が崩れたら雲水さんが優しく姿勢を正して下さいます。
そのため小さなお子様も体験可能ですので、決して怖がらず安心してご参加下さいね。
坐禅体験の他写経は随時受け付け:
志納金:1,000円となっております。
連絡先:0776-63-4361
坐禅や写経は毎日行われていますが、永平寺の行事などで実施されない事もある為、不安な方は事前確認をオススメ致します。
坐禅をする際お尻の下に丸型の座布団の様なものを置きますが、これを坐蒲(ざふ)と言い、この坐蒲が無くても坐禅を組む事が出来ますが、あった方がとってもラク。
坐蒲は“パンヤ”と呼ばれる植物性のわたを布で覆うようにして作られていて、多くの場合使用されている布は綿素材です。
でもこの綿素材は少し厄介で、お値段もお安く手に入れやすいのですが、座っていると滑りやすく集中して坐禅が出来ないそう。
滑って何度も姿勢を整えなければならないなんて、確かに集中出来なくなってしまいますが、そこでオススメなのが“ビロード素材”の坐蒲、全く滑らず安定して坐禅が出来るそうです。
実際お寺で体験をされた方で ご自宅でも坐禅を続けたいと思われる方がいらっしゃると思いますが、坐蒲を選ぶ際は滑りにくい素材のものを選んで頂く事をオススメ致します。
ちなみに永平寺の雲水さん御用達の坐蒲は「西浦法衣店」さんのもので、ネット通販などでも購入する事が出来ますが、本格的な坐蒲を手に入れたいという方は以下を参照してくださいね。
TEL 0776-22-6374
ビロードの坐蒲:
- 大(直径34㎝)6,000円
- 中(直径28㎝)5,000円
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由緒あるお寺「永平寺」行われる修行についてご紹介しました。
気軽に体験出来る日帰りのものから、修行僧 雲水さんとほぼ同じ事を行う本格的な修行まで様々なものが用意されています。
静寂に包まれた環境で行う坐禅修行は、日頃の生活を見つめ直す良い機会。
更にそれまで気がつかなかった事を気付かされ、みなさんの意識も変わるかもしれません。
興味がある方はぜひ思い切って参加されてはいかがでしょうか。