伊勢神宮と言えば日本人なら誰しも知る有名な神社で、実際に訪れた事はなくても一生に一度は参拝してみたいと思われている方も多いのではないでしょうか。
日本人にとって憧れのような神社ですが、伊勢神宮には2つの正宮のうちの1つに「豊受大神宮」通称“外宮”があります。
“内宮” “外宮”という言葉を耳にした事がある方も多いと思いますが、“外宮”の正式名称は「豊受大神宮」、御祭神は「豊受大御神(とようけ のおおみかみ)」ですが、一体どの様な神さまなのかご存知ですか?
お祀りされている神さまを知る事で、神社への参拝もより有意義なものになりますので、豊受大神宮にお祀りされる豊受大御神、更にお札の祀り方などについてまとめてみましたのでご紹介致します。
豊受大御神の正体は?父母神の直系
豊受大御神は“穀物”を司る女神さまで、「古事記」によると伊邪那美命(いざなみ のみこと)から生まれた和久産巣日神(わくむすび のかみ)の子とされています。
ワクムスビは、イザナミが火の神さま火之迦具土神(ひのかぐつち のかみ)を生んだ際、火傷を負い病に伏せていた時に生まれた神さま:
- 愛宕神社(あたごじんじゃ:京都府京都市左京区)
- 竹駒神社(たけこまじんじゃ:宮城県岩沼市)
- 安積国造神社(あさかくにつこじんじゃ:福島県郡山市)
- 麻賀多神社(まかたじんじゃ:千葉県成田市)
などにお祀りされています。
そんなワクムスビの子として誕生されたトヨウケノオオミカミは、天照大神(あまてらす おおみかみ)から「一人では安らかに食事が出来ないのでトヨウケを呼び寄せなさい」という命により、丹波国より遷宮・外宮にお祀りされたと云われています。
「丹後国風土記」によると豊受大御神に関するこのような逸話があります。
ある日 丹後国の泉に8人の天女が舞い降り水遊びをされていました。その姿を見た老夫婦は1人の天女の羽衣を隠してしまいます。
羽衣を隠された天女は天に帰れなくなり、老夫婦の養女に。この天女が豊宇賀能売命(豊受大御神と同一とされる)です。
豊受は酒作りがとっても上手く、酒が高く売れた事で老夫婦は大金持ちになりました。
お酒の原料となるお米や水は当時の人々にとって命を繋ぐ大変貴重なもので、そのお米や水に深い関わりがあった事が、穀物の神さまと言われる所以の一つになっています。
伊勢神道では天照大御神がお祀りされる内宮を北極星、豊受大御神がお祀りされる外宮を北斗七星に対応させたそうです。
北斗七星は柄杓の形をしていますが、柄杓を意味する「斗」がトヨウケの「ト」に当てられたと云われ、また江戸時代に庶民の憧れだった伊勢参拝では、柄杓を片手に持って歩くと、その柄杓にお米やお金などの施しを頂けたそう。
北斗七星から柄杓、そのお名前までの繋がりが分かると、日本の長い歴史を改めて実感でき、神さまを少し身近な存在に感じられるのではないでしょうか。
日本には八百万の神さまがいらっしゃると言われていますが、一体どのような神さまなのかお一人お一人の逸話や繋がりを知ると神社への参拝も感慨深いものになるはず。
ぜひ少しずつ日本の神さまについて知って頂きたいと思います。
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豊受大神宮のお札(御札)と祀り方!お札の特徴を簡単にご紹介
豊受大神宮には数種類のお札が用意されていますので、みなさんがお持ちの神棚や用途に合わせたものをお選び下さい。
お札の特徴を簡単にご紹介:
剣祓(けんはらい):縦27.0×横9.4㎝
- 剣先型のお神札で家内安全・事業繁栄などを祈願されたものです。
角祓(かくはらい):縦26.0×横8.1㎝
- 四角型のお神札で家内安全・事業繁栄などを祈願されたものです。
大角祓:縦30.5×横10.5㎝
- 角祓より大きな四角型で家内安全・事業繁栄などを祈願されたものです。
多賀宮剣祓(たかのみやけんはらい):縦27.0×横9.4㎝
- 多賀宮のお神札で豊受大神宮のお神札と合わせてお祀り下さい。
土宮剣祓(つちのみやけんはらい):縦27.0×横9.4㎝
- 土宮のお神札で豊受大神宮のお神札と合わせてお祀り下さい。
風宮剣祓(かぜのみやけんはらい):縦27.0×横9.4㎝
- 風宮のお神札で豊受大神宮のお神札と合わせてお祀り下さい。
海幸大麻(かいこうたいま):縦34.0×横10.3㎝
- 海上安全、大漁満足を祈願したお神札です。
ちなみ伊勢神宮はこちらを参照ください。
豊受大神宮のお札(御札)の祀り方!
お札は通常上記を参考にして神棚に納めてお祀りしますが、神棚をお持ちでない方もいらっしゃる場合には、本棚など「目線より高い場所」「明るく清らかな場所」にお祀りすればOK。
お札が「南」か「東」向きにお祀りするのが一般的ですが、間取りなどによって不可能な場合もあると思いますのでそれ程こだわらなくても構いませんし、立派な神棚を揃えなくても、現在は簡易的な神棚も販売され、壁掛けタイプや小型のもの、洋室に合うデザインのものまで。
価格も1万円以内で必要なものがセットになったお求め安い神棚もありますので、これを機会に揃えられても良いかもしれませんね。
神棚にお札を納める方法は、神棚の形状によって異なりますので以下をご参考になさって下さい。
御扉が一つの神棚:
- 手前に「神宮大麻」、その奥に「氏神さま」、そして「崇敬されている神社」の順にお札を重ねます。
御扉が三つの神棚:
- 中央に「神宮大麻」、向かって右に「氏神さま」、向かって左に「崇敬されている神社」のお札を並べお祀りします。
以上が基本的なお札の祀り方ですが、豊受大神宮で頂いたお札は通常と異なりますのでご注意下さい。
御扉が一つの神棚:
- 手前から「神宮大麻」、その奥に「豊受大神宮」「氏神さま」「崇敬神社」の順でお札を重ねます。
御扉が三つの神棚:
- 中央に「神宮大麻」向かって右に「豊受大神宮」その右後ろに「崇敬神社」、神宮大麻の向かって左に「氏神さま」その左後ろに「崇敬神社」という順で祀ります。
ぜひ正しい方法をマスターし、ご自宅にお札を祀られてみてはいかがでしょうか。
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豊受大神宮は京都に鎮座?元伊勢の一社
豊受大神宮についてお伝えしていますが、伊勢神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)が現在の地へ遷座される前にお祀りされていた場所や神社を「元伊勢」と云います。
そんな「元伊勢」の一つとされるのが京都府京都市福知山市に鎮座する「豊受大神社(とゆけだいじんじゃ)」
こちらは豊受大神宮の元宮であるという言い伝えから「元伊勢外宮」とも称され、御祭神は豊受大神宮と同じく豊受大御神。
豊受大神社は4社の別宮と37の末社が祀られ、こちらを参拝すれば多くの神さまに出会える最強パワースポットととして、境内には樹齢1500年を超える御神木があり、並々ならぬパワーを感じます。
豊受大神宮の始まりとされる豊受大神社もぜひ参拝しておきたいものですよね。
ちなみに「元伊勢」と呼ばれる神社は:
- 皇大神社(こうたいじんじゃ):京都府福知山市大江町内宮字宮山217
- 天岩戸神社(あめのいわとじんじゃ):京都府福知山市大江町佛性寺字日浦ヶ嶽206-1
があり、豊受大神社t合わせて「元伊勢三社」と呼ばれています。
三社とも日本の長い歴史を感じさせる素敵な神社なので、機会がある方はぜひご参拝頂きたいと思います。
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豊受大神宮の御朱印!伊勢神宮外宮
伊勢神宮の外宮として知られる豊受大神宮についてご紹介していますが、伊勢神宮には外宮と内宮を中心に125のお社があり、外宮から内宮へと参拝するのが古くからのならわし。
伊勢神宮は日本人の心のふるさととして、年間800万人もの参拝客が訪れるそうですが、そんな最強のパワースポットで頂く御朱印は、一生の宝物になりそうですよね。
豊受大神宮(外宮)の御朱印はとってもシンプルで、参拝の日付が墨書きされ、中央には「外宮之印」の朱印が押されています。
本当にシンプルな御朱印ですが、他の表記が全くない事でより厳かさや品格を感じられますので、きっとみなさんの御朱印帳がより価値のある大切なものになるはず。
この他伊勢神宮では:
- 「皇大神宮(内宮)」
- 「月読宮(別宮)」
- 「瀧原宮(別宮)」
- 「伊雑宮(別宮)」
- 「倭姫宮(別宮)」
- 「月夜見宮(別宮)」
を含めた、計7カ所で御朱印をいただけます。
授与時間:午前6時から夏は7時まで、冬は5時までとなっております。
伊勢神宮には定番のオリジナル御朱印帳をはじめ、「お伊勢参り朱印帳」や「蒔絵朱印帳」「ヒノキの木製朱印帳」など数種類のデザインが用意されていますので、参拝の記念に御朱印と共に頂いてはいかがでしょうか。
豊受大御神の正体は?お札 (御札) と祀り方|京都に鎮座?御朱印のご紹介のまとめ
伊勢神宮の外宮という名称で親しまれる「豊受大神宮」についてご紹介致しました。
日本人として一度は訪れたいパワースポット。
全国の神社のトップとされる格式高い場所だからこそ、お祀りされている神さまについて学んでから参拝したいものですよね。
ぜひ事前に知識を得て 思い出に残る特別なお参りにして頂きたいと思います。